2013年02月17日

「面白い恋人」事件に思う

北海道を代表するチョコレート菓子だったからであろうか?バレンタインデー直前に和解が成立した「面白い恋人」事件。

本当は判決文を読んでみたかったところですが、結局和解。裁判官からも相当和解を勧められたんでしょうね(経験談)。

和解の内容としては、
(1)面白い恋人というネーミングは継続使用OK。
(2)パッケージデザインは吉本側が変更する。
(3)原則として販売地域を関西圏に限定する。
・・・というもの。

(1)は当然の結論。語頭に「面」の字が入ることによって、「面白い」という一連一体不可分な全く別の意味の言葉になりますから(「白い」→「面白い」)、商標的には非類似と判断されてしかるべきもの。取引者・需要者の誤認混同もありえないでしょう。
(3)については恐らく元々販売地域は関西圏に限定されていたと思うので、吉本側に実損害は無いように思います。
ただ石屋製菓側が助かったのは、ちゃんとパッケージデザインの商標登録をしていたこと(例えば商標登録第4778317号)。
この登録があったので、(2)の話に繋がっているのではないかと思います。確かにパッケージのデザインとしてはパッと見似てますから。パッケージデザインを外観的に記憶しているような需要者は確かに間違えるかも知れませんね。

個人的には(2)についてももっと突っぱねれば吉本側は受け入れなくても良かったようにも思いますが(例えば白い恋人側も昔から販売地域は北海道に限定されていてそれを需要者は知っているので出所混同はあり得ない等)、あえてそこまではしなかったんでしょうね。
私は吉本側が完全に勝訴すると思っていたので(過去の記事)、どういう経緯で今回の和解の内容になったのか凄く聞いてみたいです。


実際にどういう流れで和解が成立したのかは表に出てこないので分かりませんが、恐らく上記のような裁判官の判断があっての和解ではないかと予想しています。
ただ今回の一連の流れで得をしたのはやっぱり吉本側でしょう。パッケージデザインを変更する必要はありますが、裁判沙汰になったことで相当有名になりましたし、名称の継続使用も担保されているので損得勘定をすれば「得」の方が圧倒的に大きいでしょう。吉本のことですからきっと新たなパッケージもとんちの効いた面白いデザインになるでしょうね。


付記弁理士 岩崎博孝

posted by 弁理士 岩崎博孝 at 15:28| 知的財産のこと